タンゴの生い立ち  その4

無名の芸術家達の、全く約束事を無視した、創造活動により、初期のタンゴのステップが
生まれました。それらは、奇想天外な、バリエーションに富み、一般社会の、のけ者に
なっている人たちが、自らの存在を主張する手段となりました。

踊りの、ステップを競いあった男達が、決着をつけるため、ナイフで決闘するような事は、
ごく、普通の出来事でした。
この、ダンスを伴奏していたのは、主に、ビオリン、ギター、フルートによる、
小編成のグループでした。

彼らは、半分、素人の楽士で、即興的に安直なメロディーを弾いていただけです。
従って、今日云う、曲と云うような決まったものは無く、楽譜などは、
全く存在しません。

要するに、最初は、タンゴという音楽は存在せず、ダンスだけが、存在したと云っても
過言では、有りません。

このアルバム(アルゼンチンタンゴの歴史)から、1曲、ご紹介致します。たまには、
歌のタンゴは、如何でしょうか…当時、流行したタンゴで、何処と無く、
センティメントな香りがします。「ダーマ、デル、タンゴ(タンゴの貴婦人)」と
呼ばれたシモーネの、歌唱に、耳を傾けて下さい。尚、歌の背景に、流れる伴奏も、
素敵な演奏です。

タイトルは、カフェで、お客のリクエストに答えて、蓄音機の、レコードをかけた女性の事てす。

歌唱者 MERCEDES SIMONE メルセデス、シモーネ

曲目  LA VICTROLERA レコード係の女

読み  ラ、ビクトロレラ

録音  1930年


メルセデス、シモーネ



お断り  静止画で音楽を流す、「みんふぉと」が10/31で、サービス停止との事で、この曲は
再生不可です。