ロベルト、フィルポ#11



                      当楽団は、後に新四重奏団と名称を変え、1956年まで、活動を続けた。(途中若干の
          空白期があるが) 本アルバムに収録されている曲目は、すべて初期(1936年~1943年)の
          四重奏団による演奏である。原盤番号、アルゼンチン、オデオン3500番から3530番にいたる
          31枚=62曲が、当期に録音されたSPレコードである。

          ロベルト、フィルポ四重奏団の楽器編成は、バイオリン(2) バンドネオン(1)  ピアノ(1)で、
          ピアノのフィルポ、バンドネオンのファン、カンバレーリは終始不動であったが、
          バイオリンは、時々、人が変っていたようである。演奏の形は、1910年代中期の
          フィルポ楽団を原型としており、往時を偲ばせるが、演奏技術面では新機軸を取り入れ
          新味も出してる。リズム、アクセントなど、現代の耳にはやや特異な、フィーリングが
          伝わるが、これこそが、フィルポ本来のスタイルなのである。