タンゴの生い立ち その9

ブエノスアイレス全市に数えるほどしか無かった、高価な楽器ピアノが、だいぶ普及して
きますと、ギター奏者などで、ピアノに転向する人が、増えてきました。

特に、1913年頃から、ロベルト、フィルポという演奏家がピアノの音楽性の、優秀さを
はっきりと、一般に示してから、ピアノは急速に、ギターと入れ替わっていきました。
更に、著名なギター奏者の、レオポルド、トンプソンが、ベースをタンゴ演奏に
使う事を始めました。

但し、ベース奏者は、あまり、なり手が無く、タンゴ楽団に必ず、ベースが加わるように
なるのは、1920年代に入ってからと云えましょう…
こうして、今日の「オルケスタ、ティピカ」の原型が、1910年代の後半に出来上がった訳です。

この項目は、これにて終了と致します。尚、この項目及び、曲目は
アルゼンチンタンゴの歴史」というアルバムの担当をしていた、故中西義郎氏の解説を
全面的に参考引用させていただきました。(一部私が、加筆した部分も有ります。)

このアルバムから、古典タンゴを、二つの楽団で、ご紹介致します。

演奏者  JUAN CARLOS CAVIELLO ファン、カルロス、カビエーロ四重奏団

曲目   LA CARA DE LA LUNA 月のかんばせ

読み   ラ、カラ、デ、ラ、ルナ

録音  1950年代と思われる。

1901年作のタンゴ、作者はマヌエル、カンポアモール(ピアニスタ)当時、一番音楽知識の有った人です。
元のタイトルは、 ラ、コンチャ、デ、ラ、ローラ
余りにも、卑猥というので、このタイトルに差し替えられました。初期のタンゴらしく明るく、
明快なメロディです。カビエーロは、バンドネオン奏者、ロベルト、フィルポ四重奏団から独立しました。



演奏者 QUINTETO VICTOR キンテート、ビクトル   ビクトル五重奏団

録音  1974年 ステレオ

 メンバーは、カナロ指揮のキンテート、ピリンチョと、全く同じです。録音が上手くいかず、

 最初の出だしが、飛んでいますので、ご容赦を…尚、この演奏は、このアルバムには
 入っておりません。

墨田川水上バス




「みんふぉと」が、10/31でサービス停止との事で、この曲は再生不可です。